NEW 研究発表
高齢者における居住形態と抑うつ症状発症の関連に関する論文を発表しました。
Honjo K, Tani Y, Saito M, Sasaki Y, Kondo K, Kawachi I, Kondo N.
Living alone or with others and depressive symptoms, and effect modification by residential social cohesion among older adults in Japan: JAGES longitudinal study. J Epidemiol. (in press)
配偶者・親と同居の高齢者 抑うつリスク約1.5倍 ~居住地域のつながりで軽減か~
ひとり暮らしの高齢者は、誰かと同居している高齢者と比較して抑うつ度が高いことが報告されています。しかし、誰と居住しているかが高齢者の精神健康に影響するのかは知られていません。そこで、誰と同居しているかが抑うつ発症リスクに影響するのかについて、約4.2万人の65歳以上高齢者を対象とした3年間の追跡調査データを用いて検証しました。その結果、配偶者とのみ同居している男性(9,468人)と比べて、ひとり暮らしの男性(983人)の抑うつ発症リスクが約1.43倍、配偶者と親と同居している男性(447人)の抑うつ発症リスクは1.47倍高いが、女性では同様の関連はみられませんでした。加えて、このようなリスクの上昇は、社会的つながりが強い地域では軽減されており、地域の社会的つながりの強化が居住形態による精神健康悪化を抑制する可能性が示されました。